結婚式にダークスーツをオススメする理由
先日、知り合いから相談されました。
「結婚式に出席する時に着るスーツはどれが良いでしょうか?」
普段カジュアルしか着ていないので、フィッティングも解らないということでした。
ファーストスーツとして、就活にも使いたいということでした。
そこでオススメしたいのは、ダークスーツです。
先ずはカラーを選ぼう
基本はこの3色
左から、ブラック、チャコール、ネイビー です。
それぞれ、素材が違うので、色の見え方が違うと思います画ご容願います。
写真が小さくて判りにくいと思いますが、購入した年が違うので、デザインは同じでもサイズやシルエットが微妙に違います。
同一ブランドでも、進化している事が伺えます。
それぞれの特性について説明していきます。
迷ったら、先ずはブラックカラー
1着もスーツを持っていないとするならば、冠婚葬祭に対応できるブラックが良いでしょう。
この当時(20年前)は結婚式用にディレクターズスーツを所有していたので、夏物の生地で購入しました。
素材はトロピカルウールという平織の生地です。
通気性があり、梅雨時から盛夏にかけては涼しく着用できるので、オススメです。
お通夜やお葬式にも対応できるように、パンツはシングルで仕上げています。
写真はディレクターズスーツに合わせたジャガードのシルバータイです(写真左)
柄が判りにくいので、拡大した写真も載せておきます(写真右)
2本あると何かと便利です。地柄無地物も1本持っていると重宝しますよ。
チャコールグレイ
ブラックでもなく、ネイビーでもないという方には、チャコールグレイをオススメします。
ブラックではシャープすぎる。ネイビーでは少し明るすぎるし、しっくりこないという方には良いと思います。
ミディアムグレーのスーツを15年前に購入しましたが、着潰してしまったので、3年前に仕事用として購入しました。
ブラックスーツの着用率が高い職場でしたので、自分はチャコールグレーを選びました(笑)
シャツも、ホワイトという規定があったので、ブラックでは、固い印象になるのですが、毎日同じというわけにも行かず、ブラックとのローテーションでした。
素材はCANONICO(カノニコ)社のサキソニー(綾織)素材です。
今回は結婚式や卒業式、成人式用という問い合わせでしたので、
ホワイトシャツにシルバータイやシルバーベースのストライプが良いと想います。
全くの無地は新郎や主賓の方々が締めているので、あえて、少し、地柄のある物を自分は選びました。
この他、オススメの V ゾーンも紹介しておきます。
幅広のストライプ、ドット、ブラウンのマルチストライプを
合わせるととても新鮮でした。
左から、幅広のストライプ、ドット、ブラウンのマルチストライプが今の気分です
余談ではありますが、左端の幅広の 3 色ストライプは女性にはとて好評でした
ネイビー
過去の投稿で、何度かご紹介していますが、
生地はDORMEUIL(ドーメル)社のモヘア+ウールのトロピカル(平織り)でしっかりしています。
英国らしい張りとコシと艶があります。
一度は袖を通したいと想っていた素材でしたので、セールで売れ残っていたのを引き取りました。
前述の無地柄のシルバータイを合わせています。
少し、高度なテクニックですが、シルバーではなく、シャンパンゴールドという選択肢もありだと思います。
ポケットチーフはなくても良いかもしれませんが、華やかさは薄れるので、結婚式やパーティには
TVフォールドでも良いので、挿した方が良いと思います。(写真上右)
意外と思われると思いますが、ブルー系は好きでよく選ぶ色ですが、無地のスーツは初めてかもしれません。
その性か、着用頻度は高めです。
V ゾーンのバリエーションも上げておきますね。
それと、自分が持っているネクタイの中で、女性受けする一番はこの幅広のレジメンタルタイです(写真上左)
ブラウン X ブルー X ネイビーの組み合わせは古さを感じさせませんね。
シルクのタータンチェックも気分です。
ニュアンスカラーのブルー系のロンドンストライプのシャツも重宝しますよ。
しかしながら、今、最も番合わせたい組み合わせはこれです。
15年近くの物ですが、とても新鮮に映ります。
最近、個人的にはドット柄がとても気になります。
シルエットとデティール
先ずは打ち合わせですが、シングルかダブルかを迷う方もいると思います。
体格が変わる20代では、シングルを選ぶのが王道でしょう。
ダブルが似合うのはスーツを着こなしてから誂えるのがオススメです。
今回はシングルブレステッドのスーツについて説明いたします。
1:シルエットは絞りが極端にきつくないタイプですが、サイバラとダーツにより、適度なフィット感があり
着やすいと思います。
写真は3つボタン段返り、フックベントの英国調仕様となっています。
チェンジポケットが付くとさらに、英国調になりますが、初心者には無い方が着やすいと思います。
右から2枚目の写真で、胸ポケット横に無数の縫い糸の跡があります。
これは、手縫いオーダーのテーラーで良く見られる技法でハ刺し(ハザシ)といい、ラペル(下衿)の反りを
綺麗にするためにハの字のように針を落としていくことから、そう呼ばれるようになっています。
芯地と生地を縫い留めるテーラーの技法です。
胸の箱ポケットと呼ばれる部分ですが、カーブしているバルカポケット(船型)になっています。
これも胸を立体的に見せるテーラーの技法です。
散々、英国調と言っておきながら、イタリア仕立てなデティールが出てくると混乱しますよね?
イタリア、特にナポリは高級テーラーが多い地域です。
もともとはイギリスから職人を招き入れたことから、ナポリには多くのテーラーが存在しています。
ルーツは一緒だったのですね。
近代化による大量生産により、マシンメイド(ミシン縫製)が増えることで、縫いやすい直線的なウェルトポケットが主流となりました。
歴史を感じますよね。
ベンツもクラシックなサイドベンツがオススメです。
センターベンツではいけないのか?
構いません。好みに寄りますが、どう違うのだけ知っておいて下さい。
先ず、センターベンツは日本では、「馬乗り」と呼ばれています。
諸説ありますが、馬に乗るようになってから、ジャケットの裾回りに運動量が必要になり、考案されました。
また、サイドベンツは「剣吊り」と呼ばれることから、騎士が剣を帯同するときにジャケットの裾が邪魔にならないように作られた物だと言われています。
サイドベンツの方が歴史が古いのですね。
洋服の進化がこうした機能の追求が原点だということが解るエピソードです。
まとめ
どれを選んだら良いのか?
いくらか話が逸れてしまったので、まとめておきます。
結婚式用に迷ったら、ブラックスーツ。鉄板です。
フォーマルスーツでは普段使いができないので、汎用性のあるギャバやサキソニーのような
3シーズンタイプを選ぶと良いでしょう。
シャツはホワイトシャツの一択。ブロードでなくても構いません。
個性を活かしたいのであれば、ダークスーツでも十分対応できます
カラーはブラックの他、チャコールグレー、ネイビーが良いと思います
パンツの裾仕上げはシングルがベストです。
シューズはブラックの紐靴がベスト(ストレートチップでなくても良い)
という基本を押さえながら、最近では個性を活かすオリジナルな結婚式が増えてきていることから、
ドレスコードが緩やかになってきています。
礼服以外にブラックスーツ着用も可能です。
パンツの裾もダブル仕様やシューズもタッセルローファーを履く人も見うけられます。
それでも、不安な方は招待者(主催者もしくは幹事の方)に確認することをお勧めします。
また、スーツを綺麗に着こなすには、直すことを前提に、余裕を持って調達しましょう。
素敵な時間をお過ごしください。
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