思いの外、流行らなかった?
2〜3年前に廻りで話題になていた、チロリアンジャケット
セレクトショップでセールになっていたので、やっぱり、注目されていたんだと思いました
しかし、’90年代のようには流行りませんでした
「チロリアン」って、何? そこからでした(汗)
ファッション的時代背景
’70年代はアイビーを中心とした、アメリカ志向型の服が、日本では主流でした
’80年代においても、この傾向は続き、プレッピーブームへと移行していきます
Made in U.S.A.とPopeye という雑誌が若者、大学生中心に流行ります
ファッションというものが、確立された時です
’90年代初めの渋カジブームへとつながっていきます
渋カジ、アメカジはヘビーデューティ、ミリタリーやワークウェアに注目が集まり、ヴィンテージデニムの高騰を産みました
アイビー信仰者が社会人となり、バブル時期を迎え、消費の仕方とブランド志向が高まりました
フレンチアイビーの再評価
アメリカで流行っていた、アイビーといった、トラディショナルなスタイルはヨーロッパにもすでに存在していました。
プレッピースタイルが流行った頃、パリ版プレッピースタイルとしてBCBGと呼ばれるスタイルが’80年代に流行りました
BCBGとはBon Chic,Bon Genreの略で「優雅で上品なスタイル」を意味します
日本でヨーロッパブランドが注目されたのは、バブル期突入時の’80年代後半以降です
バブル崩壊後、渋カジ、アメカジ、DCブランドの崩壊で、ビッグシルエットや極端なアメリカ志向から
「普通の服」「等身大の服」といった、リアルクローズ志向へ移っていきます
「上質な流行のないシンプルな服」が求めれれるようになり、ヨーロッパの老舗のブランドが再認識されます
これがフレンチアイビーが再認識された時期で、’90年代後半でした
フレンチアイビーは生活に密着した、ミニマルでクリーンなヨーロッパの着こなしに注目が集まります
大人のトラッド
その後、学生寄りなアイビースタイルから、「大人のトラッド」が評価されるようになります
ジャストなサイズ感で、無地で、ブランドロゴや刺繍が入っていない、色数を抑えたコーディネートで
適度な上品さを備えてるスタイルが注目されます
フレンチアイビーというくらいですから、源流はアメリカン・アイビーです
フランス的日常着で、都市生活における知性や軽さを感じるものがフレンチアイビーのコンセプトです
どうしてチロリアンジャケット?
オーバーデザインに飽きた人達が、ファッショントレンドから距離があり、数年で古くならない
歴史に裏打ちされた、耐久性と防寒性を兼ね備え、「わかる人にだけわかる」主張が強くないデザインが
好まれるようになりました
ミニマルデザインの先駆けです
防寒性が高く、耐久性に優れており、何より、ファッションアイテムより安価であること
パリの古着屋でも入手可能なので、コスパに優れていることも流行った理由でしょう
トレンド・ファッションに疲れたパリの洒落者達が生活性を重視した結果、流行ったのだと思います
当時人気だったブランドは、APCやアニエス・ベーは、共にベーシックで普遍的なデザインが共通しています
こうしてファッションの流れが大きく変わりました
コーディネートのポイント
民族衣装であるチロリアンジャケットは、フォークロア調にならないようにするのがポイントです(確認です)
あくまで、アメリカントラッドをベースにしながら、組み合わせ流のが良いでしょう
例えば、オックスのB.D.シャツにグレイフランネルのパンツにローファーやプレーントウを合わせ、
首元にはシルクスカーフを合わせるのが、フレンチアイビーでした
当時主流であった、2つのチロリアンジャケットブランドについて検証します
Steinbock (シュタインボック)とHOFER(ホッファー)
Steinbock(シュタインボック)
オーストリアはチロル地方のブランド
ローデンクロスを使ったコートやジャケットを作っています
伝統的なデザインやスタイルを保ちながら、現代風に着やすい仕様になっているのが特徴的で、
自分が保有しているのは、肩と前見頃にケーブル柄が切り替えで素運輸されています
生地も軽いです
Steinbock (シュタインボック)
オーストリアはチロル地方のブランド
ローデンクロスを使った、コートやジャケットを作っています
伝統的なデザインやスタイルを保ちながら、現代風に着やすい仕様になっているのが、特徴的で、ケーブル柄と切り替えています
オリジナルの重たい素材ではなく、軽く仕上げているので、今でも着られます
今回は当時とほぼ同じ組み合わせにしてみました
ネイビーのジャケットスタイルと同じよう、リラックスシルエットのフラノのパンツ(ZINS)
ブラックウォッチのB.D.シャツに小紋プリントのスカーフを合わせ、靴はチロリアンシューズ。
オールポニーレザーはInternational Gallery by BEAMS別注のパラブーツ社製(MICHAEL)
HOFER(ホッファー)
オーストリアのブランドですが、現在は廃業しており、入手できません
チロリアンジャケットの原型と言われるブランドです
伝統的な縮絨ウールで作られています
素材について、少しだけ解説しておきます
縮絨とは、ウール繊維に熱、水分、圧力を加えて、繊維を絡み合わせてフェルト状に縮ませて、高密度にする方法です
保温性や耐久性が極めて高くなるので、標高の高いチロル地方で発達した素材だと思われます
(他の地域でも、羊がいて、寒い土地には似た物が存在すると思いますが)
素材、デザインは長い歴史の中で完成された物だという事が解ります
サイズ安定の為にパーツを極力少なくする為に左右前身ごろにボタンホールが空いています
右左がない仕様ですね
ボタンはコインを利用し、足をつけてつないでいます
袖丈調整も袖口を折り返すことで、様々なサイズに対応しています
身の回りにあるもので賄っています
その上、ストレッチ性が高いニット編み素材を使う事で、メルトン化しても動きやすい生地に仕上がっています
パーツの切り替えの線がうっすらと見えます
セットインラグランスリーブに大きく回り込んだ、前身ごろ、背中、襟、ポケットと5パーツ構成です
HOFERのコーディネートは
ロンドンストライプのファンシャツにロイヤルスチュアート柄のタイを合わせて、地味になり過ぎない様にしました
(Shirt:BEAMS F Tie:John Comfort for BEAMS F)
下半身はシュタインボックの組み合わせと同じで、フランネルシャツとチロリアンシューズです
寒い日が続きますが、店頭では春物の入荷が始まっています
「今年の春は何を着ようか?」と考えてますが、寒くて、まとまらないのが、本音です
暖かくしてお過ごしください
次回は春に向かう季節に適した服を紹介したいと思います
最後まで、ご覧いただきありがとうございます

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